2012年3月16日金曜日

入居前後のトラブル

日割り家賃

(1)入居日が月の半ばだったのに、家賃は日割りではなく、1か月分を請求されたが拒否できるか?

(2)入居が4月はじめだったのに、「入居可能日」が3月25日だということで、25日から月末までの日割り家賃を請求されたが、拒否できないのか?

カギの交換

(1)入居時に、「カギの交換費用」を請求されたが、借主が負担すべきものか?

(2)入居時、家主に「カギは前の入居者が使っていたカギなので、新しいカギに交換してほしい」と言ったが拒否された。このまま泣き寝入りするしかないのか?

(3)入居時、家主に「カギは前の入居者が使っていたカギなので、新しいカギに交換してほしい」と言ったが拒否された。仕方がないので自費で交換したが、家主に費用請求� ��きるか?

(4)入居時、家主に「カギは前の入居者が使っていたカギなので、新しいカギに交換してほしい」と言ったが拒否された。仕方がないので自費で交換しようとしたが、それも家主に拒否された。家主に従わざるを得ないのか?

(5)入居時、前の入居者のカギと同じではなかったが、ピッキングに遭いやすいという噂のカギだったので、家主に「ピッキングに遭いにくいカギに交換してほしい」と申し入れたが拒否された。家主に従わざるを得ないのか?

(6)入居時、前の入居者のカギと同じではなかったが、ピッキングに遭いやすいという噂のカギだったので、家主に「ピッキングに遭いにくいカギに交換してほしい」と申し入れたが拒否されたので自費で交換した。家主に費用請求することができるか?

(7)入居時� ��前の入居者のカギと同じではなかったが、ピッキングに遭いやすいという噂のカギだったので、家主に「ピッキングに遭いにくいカギに交換してほしい」と申し入れたが拒否されたので自費で交換しようとしたが、それも家主に拒否された。家主に従わざるを得ないのか?

(8)入居後、夜中に玄関がごそごそし、見知らぬ人が入ってきた。こちらもびっくりしたが相手もびっくりしていた。よく聞いてみると、前の入居者の友人だという。家主に事情を説明し、カギの交換をお願いしたが、「自分で代えるのなら認める」というだけだった。納得できないのだが、家主に従うしかないのか?

入居不能

(1)入居日に引越ししようとしたら、まだ前の入居者が住んでいた。家主に掛け合ったが、「すみません」というだ けで埒があかない。どうすればよいのか?

(2)入居日に引越ししようとしたら、まだ前の入居者の荷物が残っていた。家主に掛け合ったが、「すみません」というだけで埒があかない。荷物を勝手に処分することができるか?

(3)入居日に引越ししようとしたら、実は、別の借主との二重契約となっていることが発覚した。どちらかが住めなくなるのだが、家主と仲介業者のどちらに責任追及すべきか?

(4)入居日に引越ししようとしたら、まだ改修工事が終了しておらず、引越しできなかった。この場合、誰にどういう責任追及が可能か?

(5)入居日に引越ししようとしたら、まだ改修工事が終了しておらず、引越しは済ませたものの、家財道具の荷を解くことができなかった。この場合、誰にどういう責任追及が可能か?

(6)新築物件に引越ししようとしたら、直前になって「工事がまだ終わっていないので入居日を数日遅らせてくれ」という連絡が入った。このような場合、誰に対してどのような責任追及が可能か?

(7)新築物件に引越ししようとしたら、直前になって「工事がまだ終わっていないので入居日を数日遅らせてくれ」という連絡が入った。納得できないので、契約を解約したいのだが、支払った費用はどうなるのか?

騒音

(1)大きな道路に面していたせいか、思っていた以上に騒音が激しかった。家主に苦情を言うと、「室内まで下見して契約したのだから、我慢してもらうしかない」と言ってきた。家主の主張を受け入れるしかないのか?

(2)隣室から、まるで壁がまったくないように、会話する声が「普通に」 聞こえてくる。欠陥建築ではないかと思い、家主に思い切って苦情を申し出たら、家主は、「そんなはずはない。大手のゼネコンの設計施工だし、建築基準法もクリアーしている。共同住宅では、お互い我慢する必要があるんだ」と、逆にお説教されてしまった。建築基準法では、「音」の問題について、どのように規定しているのか?

(3)引越し早々、隣室から「うるさい」という苦情が来た。そんなにうるさくした覚えがないのに、すごい剣幕で怒ってくる。たまたま知り合った別の部屋の人によると、以前も同じ部屋の人が苦情を言われ続けてノイローゼになり退去していったとのこと、退去も考えているが、家主も管理会社も何も説明がなかったので、家主などに支払った費用の返還と引越し代の負担をしてもらいたいと思うが 、このような主張は通るか?

修繕・修理不備

(1)入居後、修繕・修理すべき箇所が直されていなかった。管理会社に苦情を申し立てたが、「工事予定が詰まっているのですぐに対処はできないのでしばらく我慢してほしい」と言われた。我慢するしかないのか?

(2)入居後、修繕・修理すべき箇所が直されていなかった。管理会社に苦情を申し立てたが、「修繕はすべて終了しており、指摘されている部分は修繕の必要がない」と言われた。我慢するしかないのか?

(3)入居後、修繕・修理すべき箇所が直されていなかった。管理会社に苦情を申し立てたが、「修繕はすべて終了しており、指摘されている部分は修繕の必要がない」と言われたが、気になるので自分で工事の手配をした。費用の請求を家主にした� ��のだが、可能か?

(4)入居後、修繕・修理すべき箇所が直されていなかった。特に生活するのに問題はない箇所だったのでそのままで生活することにしたが、何か問題はないのか?

内装工事の臭い

(1)入居時、クロスの張替え直後だったので、臭いがきつく、気分が悪くなったので契約解除を申し入れたが、管理会社からは「自己都合となるので違約金が必要」と言われた。納得できないが、従わざるを得ないのか?

(2)入居時、クロスの張替え直後だったので、臭いがきつく、気分が悪くなったので、管理会社に苦情を申し出たが、「クロスの張替え直後はどこでもにおいがするので我慢してもらうしかない」と言われた。やはり我慢するしかないのか?

(3)アトピーのため、化学物質を一切含まないクロ� ��の張替えを希望していたが、管理会社からは、「特別扱いは不可能なので、どうしてもというなら契約を解除するしかない」という返事だった。何か対応策はないのか?

前の入居者の問題

(1)入居後、前の入居者宛の郵便物がいくつも届いて困っている。管理会社に言ってみたものの、「前の入居者が転送手続きしていないので、不要なものは捨てたら」というひどい返事。どのように対処すればよいか?

(2)入居後、前の入居者宛のイタズラ電話がよくかかってきた。住んでいる物件は電話が最初から付いているところだったので、家主に電話番号を変えてくれるように伝えたが、費用がかかるとして拒否されてしまった。何とか対処する方法はないのか?

設備の不良

(1)入居後、給湯器が� �障しているので、家主に修繕を求めたが、「契約書に『‥給湯器などの故障の修繕費用は借主負担とする』と書いている通り、自分で修繕してください」と言われた。契約書に署名している以上、従うしかないのか?

(2)入居後、浴室のシャワーの温度が一定しないことに気づいた。使い勝手が悪いので家主に修繕を求めたが、「故障なら修理するが、故障しているわけでもないので、気に入らなければ自分で直してほしい」と言われた。家主の理屈には逆らうことはできないのか?

条件・イメージ違い

(1)内見した部屋は、実際に借りる部屋ではなく、別の部屋(モデルルーム)だった。しかし、実際に入居した部屋とは間取りも異なっていた。イメージがまったく違うので契約の解除を申し出たが、「一切返金� ��きない」と言われた。何とかならないのか?

(2)入居者がまだ住んでおり室内見学ができなかったが、入居後、想像していたイメージと異なっていたので契約の解除を申し入れたが、「一切返金できない」と言われた。従わざるを得ないのか?

(3)入居者がまだ住んでおり室内見学ができなかったが、入居後、想像していたイメージと異なっていたので契約の解除を申し入れたが、「入居後なので途中解約扱いとなるので3か月分の違約金が必要」と言われた。従わざるを得ないのか?

(4)入居後、部屋に入ったら、天井の照明器具が付いていなかった。家主に苦情を申し入れたが、「照明器具は自分で付けてください」と言われた。しかし、隣室の人は最初から照明器具が付いていたということなので、不公平だと思う。何と� �ならないのか?

(5)入居後、部屋に入ったら、天井の照明器具が付いていなかった。家主に苦情を申し入れたが、「照明器具は自分で付けてください」と言われた。しかし、仲介業者では、「照明器具は持込だが前の入居者がそのまま付けていることが多い」と言っていたので、仲介業者にだまされたように思うが、業者に責任を取ってもらうことができるか?

(6)入居後、キッチンには、ガスコンロが付いていなかった。家主に苦情を申し入れたが、「好きなコンロを自分で付けて下さい」と言われた。しかし、隣室の人は最初からガスコンロが付いていたということなので、自分もつけてほしいと思うが、主張を通すことができるか?

(7)入居後、キッチンにはガスコンロが付いていたが、汚れていたので、家主に「新しいコンロに代えてほしい」と言ったが、家主からは「コンロは各自で付けることになっているので好きなコンロを自分で付けて下さい」と言われた。家主の主張に従うしかないのか?


日割り家賃

(1)入居日が月の半ばだったのに、家賃は日割りではなく、1か月分を請求されたが拒否できるか?

→  家賃を日割り計算するかどうかという点については、法律上、「日割り計算しなさい」という義務はありません。
  従って、家賃の精算を月単位とするのか、それとも日割りで精算するのかという点は、契約書の内容に従うことになります。
 契約書に、「日割り精算しない」という規定があり、借主が承諾の署名・捺印をしているとすれば、日割り精算されなくても従うしかありません。
  なお、たとえば、契約期間が○月△日〜○○月(△の前日)日というようになっている場合で、家賃の起算期間が、毎月△日〜翌月(△の前日)日というようになっているなら、見かけ上は、日割り計� �されていなくても、実質上の損害が発生しない場合もありますし、入居時に日割り精算しない代わりに、退去時に日割り精算する家主もあります。
  そこで、家主に確認すべきこととしては、月々の家賃の計算期間はどうなっているのかという点と退去時に日割り精算するのかどうかという点です。
  その上で、どう考えても、入居時に日割り精算してもらわないと損害が大きいというような場合には、法律上を盾にはできませんので、家主の良識に訴えかけるようにしながら、交渉していくことになるでしょう。

(2)入居が4月はじめだったのに、「入居可能日」が3月25日だということで、25日から月末までの日割り家賃を請求されたが、拒否できないのか?


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→  ポイントは、契約開始日がどうなっているかです。
  通常、契約開始日=入居可能日というケースが多いのです。
 このような場合だと、借主の都合で入居が遅れたとしても、契約開始日からの家賃支払いが必要になりますので、日割り家賃の請求を拒否することはできません。
  一方、契約開始日そのものは、4月はじめからになっているものの、前の入居者が比較的早く退去したために、「正式の契約開始は4月から だけど、入居は3月下旬から可能です」というような場合もあります。
  このような場合だと、借主が自ら希望して3月下旬に入居したのであれば、当然のことながら、日割り家賃を支払うべきでしょう。< br/>  しかし、借主は4月はじめの入居でよいと言っているにも拘らず、家主が一方的に、3月下旬から入居できるので、その日から家賃を支払っ てもらうというのであれば、あまりにも一方的過ぎますの、当然のこと ながら、日割り家賃の支払いを拒否することができます。

カギの交換

(1)入居時に、「カギの交換費用」を請求されたが、借主が負担すべきものか?

→  本来、家主は、借主が使用収益できるように必要な修繕を行う義務がありますので、この考え方の延長線上として、カギの交換費用も負担すべきです。
  しかし、現状では、家主に対して、カギの交換義務まで強制させることは認められていません。現状では、あくまで家主の善意に頼っているのです。
  一方で、当然のことながら、� �主が負担すべきだという合理的な理由もありません。
 従って、家主と借主が話し合って決めることになっているのですが、 契約書で、借主負担を明記している場合には、借主が特約を承諾してい るということで、借主負担もやむを得ないでしょう。
 ただし、ピッキングや空き巣に何度も狙われたりした物件であるにも 拘らず、家主がカギの交換を拒否したような場合、家主は、その後の借 主が受けた損害賠償責任を負うべきだという考え方が示されているよう です。

(2)入居時、家主に「カギは前の入居者が使っていたカギなので、新しいカギに交換してほしい」と言ったが拒否された。このまま泣き寝入りするしかないのか?

→  前項で述べたように、現状では、家主に対して、強制的なカギの交換義務 まで課すことはできないとされていますので、家主が、家主の費用でカギ交換を行うことを拒否するケースはよくあります。
 だからと言って、すぐに「泣き寝入りするしかない」という判断は禁物です。
  つまり、家主が、「カギの交換を拒否する」という場合、「家主の費用を支出することを拒否する」というケースと、「カギの交換自体を拒否する」というケースの2通りが考えられるからです。
  前者のケースであれば、家主が費用の全額を負担するのではなく、たとえば借主と折半するとか、借主が全額負担する場合には、カギの交換を認めてくれるかもしれません。
  しかし、後者の場合には、借主が全額負担しても認めないということですから、家主に、「なぜ、カギ交換自体を拒否するのか?」を聞� �だし、納得できない場合には、「わかりました。その代わり、カギ交換をしないことで、万一何らかの事故・トラブルが発生した場合には、損害賠償責任を負うという念書を作成してもらえないか?」という申し出をしてはどうでしょうか?
 それくらいの調子で言わないと、カギの交換をしてくれないでしょう。実際にそのような申し出を行うかどうかは、相談者の判断次第でしょう。

(3)入居時、家主に「カギは前の入居者が使っていたカギなので、新しいカギに交換してほしい」と言ったが拒否された。仕方がないので自費で交換したが、家主に費用請求できるか?

→  前々項で述べているように、家主にカギの交換を強制的に行わせることは認められていません。
  「自費で交換した」ということですが、家主 に対する費用請求の前に、家主に了解を得ての交換だったのでしょうか?
 もし、家主の了解を得ることなく、勝手にカギの交換を行った場合には、家主は管理上、原状回復を求めてくる可能性が強いでしょう。
 そうなれば、さらに費用がかかってくることになります。
  家主の了解を得ていた場合にも、家主が費用負担するという特約がなければ、家主に対して費用請求を求めることはできないでしょう。

(4)入居時、家主に「カギは前の入居者が使っていたカギなので、新しいカギに交換してほしい」と言ったが拒否された。仕方がないので自費で交換しようとしたが、それも家主に拒否された。家主に従わざるを得ないのか?

→  家主は、カギの交換まで義務付けられているわけではありません。
  一 方で、借主が「自分で負担するから」と言って、カギの交換を求めてきた場合でも、家主は拒否することもできます。
 なぜなら、家主は物件全体を管理する都合上、一部屋だけ、別のカギを付けられてしまうことになると管理がしにくくなりますし、マスターキーも利用できないからです。
 従って、家主との話し合いで、家主が納得しない場合には、たとえ借主の自費であっても、家主の承諾を得ることなく、カギの交換を行うことはできません。

(5)入居時、前の入居者のカギと同じではなかったが、ピッキングに遭いやすいという噂のカギだったので、家主に「ピッキングに遭いにくいカギに交換してほしい」と申し入れたが拒否された。家主に従わざるを得ないのか?

→  現在のところ、家主には、カギの交換� ��務までは課されていません。
 しかし、ピッキングに合いやすいカギであることが明白であり、家主自身もその点については、承知しているような場合、万が一の事故・トラブルに遭遇した際には、家主が損害賠償責任を負うことになります。
  そこで、家主に対して、「ピッキングに遭いやすいカギであるのを承知しておきながら、カギの交換を怠った場合には、借主が受けた損害を家主が賠償責任を負う」という判例があるので、「万が一の際には、家主がすべての損害賠償責任を負う」というような中身の念書を作成してもらえないかと交渉してみてください。
  家主としても、そこまで言われれば、態度を変化させ、カギの交換を行ってくれるかもしれません。

(6)入居時、前の入居者のカギと同じではなかっ� ��が、ピッキングに遭いやすいという噂のカギだったので、家主に「ピッキングに遭いにくいカギに交換してほしい」と申し入れたが拒否されたので自費で交換した。家主に費用請求することができるか?

→  前項の相談と同じように、家主にはカギの交換義務までは課されていませんので、借主が自ら負担して交換した場合でも、家主に費用請求することはできません。
 その上、家主の承諾なしにカギの交換を行った場合には、原状回復を命ぜられれば、カギを元の状態に戻さざるを得ない可能性すらあります。
 ただし、ピッキングに遭いやすいカギであるということが世の中に知れ渡っているような場合で、家主がカギの交換を拒否したために、新たな被害が発生した場合には、家主は、損害賠償責任を負うことにな るでしょう。

(7)入居時、前の入居者のカギと同じではなかったが、ピッキングに遭いやすいという噂のカギだったので、家主に「ピッキングに遭いにくいカギに交換してほしい」と申し入れたが拒否されたので自費で交換しようとしたが、それも家主に拒否された。家主に従わざるを得ないのか?

→  前項で述べているように、原則として、家主に従わざるを得ない。

(8)入居後、夜中に玄関がごそごそし、見知らぬ人が入ってきた。こちらもびっくりしたが相手もびっくりしていた。よく聞いてみると、前の入居者の友人だという。家主に事情を説明し、カギの交換をお願いしたが、「自分で代えるのなら認める」というだけだった。納得できないのだが、家主に従うしかないのか?

→  一般には、家主にカギの交 換義務まで課されていませんが、前の入居者が合鍵を作っており、それが第三者の手に渡っていることがはっきりしているわけですから、家主は、入居者が安全に生活できるようにする責任がありますので、家主の費用と責任で、カギの交換を行わなければなりません。
  万一、家主がカギの交換を拒否するような場合には、借主は自らカギの交換を行い、その費用については、「必要費の償還」として、家主にすぐに請求することができるでしょう。

入居不能

(1)入居日に引越ししようとしたら、まだ前の入居者が住んでいた。家主に掛け合ったが、「すみません」というだけで埒があかない。どうすればよいのか?

→  家主(あるいは管理会社)が前の入居者の退去日と、新しい入居者の引越し日をきちんと確認� �ておかなかったミスであることははっきりしています。
  そして、相談者に責任がないこともはっきりしています。
  しかし、だからと言って、責任のない前の入居者を追い出すわけにもいきませんし、居住権の優劣からいえば、前の入居者のほうが有利です。
  そこで、前の入居者が退去し、原状回復が行われて引越しが可能になるまで、家主の費用で、ホテル等に宿泊する一方、一定期間、引越し荷物をトランクルームなどに預けておくようにしなければならないでしょう。
  いずれにしても、ホテルやトランクルーム代、そしてトランクルームからの引越し代などについては、家主の費用で直接精算するように、家主によって手配してもらうようにしましょう。

(2)入居日に引越ししようとしたら、まだ前 の入居者の荷物が残っていた。家主に掛け合ったが、「すみません」というだけで埒があかない。荷物を勝手に処分することができるか?

→  前の入居者が、どのような理由で荷物を残していたのかがわかりませんが、いずれにしても、勝手に荷物を処分すれば、罰せられたり、損害賠償責任を負わせられたりすることになります。
  そこで、家主の責任で、荷物を物件内から移動して別の場所で保管してもらうようにしなければなりません。
  荷物の移動の際にも、一切手を出さず、前の入居者からは、訴えられるようなことがまったくないようにしておいたほうがよいでしょう。
 あくまで、家主と前の入居者との関係に留めておくようにしておくべきでしょう。

(3)入居日に引越ししようとしたら、実は、� �の借主との二重契約となっていることが発覚した。どちらかが住めなくなるのだが、家主と仲介業者のどちらに責任追及すべきか?

→  このような二重契約となっている場合、複数の仲介業者によって、別々の借主の契約を仲介しているケースが多いと思います。
 つまり、複数の仲介業者は、それぞれ、家主に連絡して、空き状況を確認しながら契約を成立させているにも拘らず、家主サイドできちんと管理を怠っており、結果的に二重契約となったというようなケースが多いと思います。
  万が一、同じ仲介業者で同一の部屋の契約を二重に行っていたとすれば、家主だけでなく、仲介業者にも責任がありますが、通常は、仲介業者のミスではないでしょう。
  こういうトラブルは、家主サイドの連絡窓口が、� �主自身以外に家族も同じように窓口業務を行っているのに、家族間での連絡・確認をきちんと行っていない場合に発生するケースが多いようです。
 つまり、Aさんの契約に関しては、家主自身が対応し、Bさんの契約に関しては、家主の子息が対応しながら、そうした情報交換をきちんと行わないというようなケースです。
  いずれにしても、まず、責任の所在が誰にあるのかをはっきりさせた上で、契約手続き日の早いほうに優先権を与えるようにし、入居が不可能になる方については、別の物件への引越しが可能になるまでの宿泊代や荷物保管代、そして引越し代を家主の責任と費用で負担してもらうようにしなければならないでしょう。

(4)入居日に引越ししようとしたら、まだ改修工事が終了しておらず、引越しでき� �かった。この場合、誰にどういう責任追及が可能か?


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→  改修工事が予定通りに終了しなかった原因にはいろいろなことが考えられます。
 たとえば、前の入居者が予定日に退去しなかったり、原状回復工事が予測よりも大掛かりになったり、工事業者が予定日に工事しなかったり、あるいは、スケジュール全体の管理をきちんと行わなかったために、引越し日の設定が間違っていたというような場合もあるでしょう。
  いずれにしても、借主は、契約の相手方である家主に直接的な責任を負ってもらうしかありません。
 たとえ、前の入居者や工事業者に問題があったとしても、借主が、前の入居者や工事業者を相手取ることはできないからです。
  そこで、工事が終了し� ��入居が可能になるまでの間の宿泊費、引越し荷物の保管、そして荷物の保管場所からの引越し代などを、家主の費用と責任で行ってもらうようにしなければなりません。
  借主自らがホテル代などを精算すれば、あとから家主との間で費用精算することになりますが、すぐに精算してくれるという保障がないため、最初から、家主の手配によって、ホテルとの精算なども家主が直接行うように交渉したほうがよいでしょう。

(5)入居日に引越ししようとしたら、まだ改修工事が終了しておらず、引越しは済ませたものの、家財道具の荷を解くことができなかった。この場合、誰にどういう責任追及が可能か?

→  前項の相談と同じように、やはり、家主に責任を負ってもらわなければなりません。
  問題は、改修工� �の内容です。
 もし、改修工事が完了するまでの間は、通常の生活ができないということであれば、その間のホテル代などを家主に負担してもらわなければなりません。
 ある程度の生活が可能だが、完全ではないという場合には、工事が完了するまでの期間の家賃については減額してもらうように交渉が必要でしょう。

(6)新築物件に引越ししようとしたら、直前になって「工事がまだ終わっていないので入居日を数日遅らせてくれ」という連絡が入った。このような場合、誰に対してどのような責任追及が可能か?

→  建設業者は、家主(施主)との間で、建築請負契約を締結し、物件の引渡し日をはっきりさせているはずです。
 当然のことながら、万が一、予定の物件引渡し日に引渡しが不可能になった場合� ��建設業者は、損害賠償責任を負うこととなっているはずです。
  借主は、建設業者との間では直接的な関係はありませんので、あくまで家主に対して、引越し予定日に入居できなくなったことで受ける損害を賠償請求することになります。
 つまり、実際の引越し日までの宿泊代、引越荷物の保管代、保管場所からの引越代などを請求することが可能だと思います。
  家主は、見かけ上、自分が負担することになりますが、実際には、工事業者に費用を出させることになりますので、借主が遠慮することは一切ありません。

(7)新築物件に引越ししようとしたら、直前になって「工事がまだ終わっていないので入居日を数日遅らせてくれ」という連絡が入った。納得できないので、契約を解約したいのだが、支払った費� ��はどうなるのか?

→  借主は、契約金を所定の期日までに納める義務がある一方、家主は、入居予定日には、借主に対して、カギ渡し(物件の引渡し)を行わなければなりません。
  ところが、建築工事が完了していないので、物件引渡しができなくなり、契約の実行ができなくなってしまっています。
  契約(債務)が予定通り実行できない場合には、次のいろいろなケースがあり、それによって対応も異なります。
  まず、「履行不能」、つまり、住むこと自体ができなくなってしまい、契約そのものが実行できなくなってしまった場合には、契約を解除し、損害賠償責任を追及できます。
  次に、「履行遅滞」、つまり、住むこと自体ができなくなったわけではなく、相談内容にあるように、「数日� �れる」だけの場合には、いきなり契約解除を行うことはできません。
 契約解除ができるのは、相当の期間を設けて、「住めるようにしてくれ」と請求したのに、それでも住めるようにしてくれなかったような場合だけです。
 このような場合には、実際に住めるようになるまでの間の宿泊代や荷物の保管代、保管場所からの引越し代などを請求することができます。
  ちょっとややこしいのは、「不完全履行」、つまり、カギ渡しを受けて引越はしたものの、内装工事が完全に終了していないために、設備などが全面的には使えないような場合です。
 このような場合には、個別の状況に応じて、損害を受けた部分の損害賠償を追及することができますが、実際には、「損害」の算出が難しく、交渉がうまくいかないケ� ��スが多いのです。
 いずれにしても、相談内容のようなケースで、いきなり契約解除をすれば、法律上は、そのような解除は認められませんので、かえって、家主側からの損害賠償責任さえ追及されかねませんので注意が必要です。

騒音

(1)大きな道路に面していたせいか、思っていた以上に騒音が激しかった。家主に苦情を言うと、「室内まで下見して契約したのだから、我慢してもらうしかない」と言ってきた。家主の主張を受け入れるしかないのか?

→  「騒音問題」は解決の非常に難しい問題です。
  隣接する入居者からの騒音ではなく、交通騒音の場合には、建物の屋内における騒音基準が定められており、昼間(午前6時〜午後10時)は45デシベル以下、夜間(午後10時〜翌朝6時)は40デ� ��ベル以下となっており、これらの基準を上回れば、家主との関係ではなく、行政との関係で、基準を守るように訴えることができます。
  しかし、逆に言えば、行政を相手にするということは、家主に責任はないということですので、家主に責任追及することはできないということになります。
 つまり、「交通騒音」問題としてしまえば、解決がしにくくなってしまいます。
  そこで、見方を変えて、家主と交渉しなければなりません。
  つまり、家主が、大きな道路際を承知で建物を建てたわけですから、道路に面した部屋には、遮音性能の高い窓ガラス・サッシ(エアタイトタイプの2重サッシなど)を設置すべきだということで、もし、窓ガラスがふつうのガラスであれば、遮音性能の高い窓ガラス・サッシ に交換してもらうように交渉することです。

(2)隣室から、まるで壁がまったくないように、会話する声が「普通に」聞こえてくる。欠陥建築ではないかと思い、家主に思い切って苦情を申し出たら、家主は、「そんなはずはない。大手のゼネコンの設計施工だし、建築基準法もクリアーしている。共同住宅では、お互い我慢する必要があるんだ」と、逆にお説教されてしまった。建築基準法では、「音」の問題について、どのように規定しているのか?

→  建築基準法第30条では、共同住宅の各戸の界壁について、「政令で定める技術的基準に適合するもの」としており、その施行令(第22条の3)によると、振動数125ヘルツで透過損失25デシベル、同じく振動数500ヘルツで40デシベル、2000ヘルツで5� �デシベル以上と定めています。
 たとえば、隣室で大きな声(80デシベル)で話した場合、透過損失が25デシベル以上であるので、55デシベル程度に聞こえたとしても、建築基準法上は問題なしとされてしまうのです。
 ちなみに、30〜40デシベルは「ささやき(静か)」、50〜60デシベルは「普通の会話(日常の騒音)」、70〜80デシベルは「大きな咳払い、子供の泣き声など(うるさい)」状況を表しています。
 もともと、日本の在来建築は、「遮音構造」には無頓着であったことと、建築基準法そのものが、「最低基準」を示したものであるため、「建築基準法をクリアーした欠陥構造」があふれかえっているのです。

(3)引越し早々、隣室から「うるさい」という苦情が来た。そんなにうるさ� �した覚えがないのに、すごい剣幕で怒ってくる。たまたま知り合った別の部屋の人によると、以前も同じ部屋の人が苦情を言われ続けてノイローゼになり退去していったとのこと、退去も考えているが、家主も管理会社も何も説明がなかったので、家主などに支払った費用の返還と引越し代の負担をしてもらいたいと思うが、このような主張は通るか?

→  一般論で言えば、賃貸共同住宅での騒音は、騒音の受忍限度を超えていなければ、お互いに我慢しなければならないというルールがあります。
 そして、受忍限度そのものは、室内で聞こえる騒音レベルとして、夜間で40デシベル以下とされていますが、騒音レベルの証明を行うのは素人には難しく、騒音の差し止めを行うには、専門機関による測定が必要になるでしょ う。
  ところが、ここでの相談では、騒音の実際のレベルそのものが問題というよりも、隣人があまりにも音に神経質なために問題が発生しているように思います。
 逆に言えば、いくら科学的に騒音レベルが受忍限度以下であることを証明したとしても、隣人からの苦情はなくならないのではないでしょうか?
  問題となるのは、家主や管理会社が、新たな借主に対しても、騒音の苦情が来るだろうということを認識していたかどうかということですが、おそらく、新たな騒音問題が起こる可能性があることを認識していながら、それを説明すれば、入居してくれないだろうということで説明しなかった可能性が強いでしょう。
  家主には、どのような居住者が住んでいるかを説明する義務はありませんし、そのよ� �な説明をすることは、プライバシー保護上もすべきではないでしょう。
  しかし、家主には、入居者が、安全快適に生活できるようにする義務がありますので、その点から、隣人から度を過ぎた苦情が来ることをあらかじめ承知していたとすれば、借主との契約がきちんと実行されない(安全快適に住めない)ことを知っていながら、その点を説明しなかったということになります。
 つまり、契約が不完全な履行しかできないことを隠して契約させたということになります。
  従って、家主に対して、契約を解除し、損害賠償を請求することができるのではないかと思います。

修繕・修理不備

(1)入居後、修繕・修理すべき箇所が直されていなかった。管理会社に苦情を申し立てたが、「工事予定が詰まっている� ��ですぐに対処はできないのでしばらく我慢してほしい」と言われた。我慢するしかないのか?

→  問題は、修理・修繕されていないことで、生活にどのような支障があるかということです。たとえ、修理・修繕されていなくても、生活そのものには、ほとんど支障がない場合には、管理会社が言うように、一定期間の我慢は仕方ないでしょう。
  しかし、修理・修繕されないと、生活に重大な支障があるような場合には、ケースバイケースですが、修理・修繕されるまでの間の宿泊代を負担してもらうように交渉する必要性もでてくるでしょう。

(2)入居後、修繕・修理すべき箇所が直されていなかった。管理会社に苦情を申し立てたが、「修繕はすべて終了しており、指摘されている部分は修繕の必要がない」と言われ� ��。我慢するしかないのか?

→  管理会社が、「修繕の必要がない」と言っているところを修繕してもらおうとすれば、それが修繕されなければ、生活に重大な支障が起こるということを客観的に証明できなければなりません。単なる「気分が悪い」というような主観的な主張では認められません。
  しかし、実際問題として、客観的な証明は容易ではありませんので、管理会社のスタッフや家主に直接現場確認してもらい、彼らの口から、「これでは生活に支障が出るのはやむを得ないので、すぐに修繕しましょう」と言ってくれるようにしなければならないでしょう。

(3)入居後、修繕・修理すべき箇所が直されていなかった。管理会社に苦情を申し立てたが、「修繕はすべて終了しており、指摘されている部分は修繕� ��必要がない」と言われたが、気になるので自分で工事の手配をした。費用の請求を家主にしたいのだが、可能か?


そこには、グラスゴーからベルファストへの旅行からどの方法があります。

→  家主や管理会社が、「修繕の必要がない」と言っているにも拘らず、借主が勝手に工事の手配まで行ったとすれば、家主や管理会社に対する費用負担請求はおろか、場合によれば、原状回復まで請求されかねない場合も考えられます。
  家主に対して、費用を請求できるのは、「必要費の償還」と言って、生活上必要不可欠な設備などが故障したにも拘らず、家主が修繕等を行わない場合に、借主がいったん費用負担し、すぐに家主に対して費用の償還請求を認めるという法律上での規定による場合に限ります。

(4)入居後、修繕・修理すべき箇所が直されていなかった。特に生活するのに問題はない箇所だった のでそのままで生活することにしたが、何か問題はないのか?

→  生活に支障がないような場合には、問題ないように思いますが、そんなことはありません。
  入居時点からその修繕・修理すべき箇所があり、借主の責任ではないということを、家主や管理会社に認めておいてもらわないと、退去時に、「これは借主が故障させたものに違いない」と言われても、証明のしようがないのです。
  従って、入居時点から、修理・修繕されていない箇所があれば、それが生活に支障があるかどうかに関係なく、すぐに、家主・管理会社に通報し、現場の確認や写真撮影などを行い、借主の責任ではないということを確認しておかなければなりません。

内装工事の臭い

(1)入居時、クロスの張替え直後だったので、臭い がきつく、気分が悪くなったので契約解除を申し入れたが、管理会社からは「自己都合となるので違約金が必要」と言われた。納得できないが、従わざるを得ないのか?

→  壁のクロスの多くは、塩化ビニール製のクロスですが、クロスの張替え直後は、クロスそのものに含まれている有機化学物質やクロスを貼るためののりに含まれているホルムアルデヒドやVOCと呼ばれている有機化学物質が、室内に溶け出してきます。それが、「臭いがきつく、気分が悪くなった」原因だと思われます。
  2003年7月の建築基準法改正によって、賃貸マンションなどでも、ホルムアルデヒドやクロルピリホスなどの使用が制限されるようになり、それ以前よりは、シックハウス症候群の発生は少なくなりました。
 しかし、それ� �も、被害の発生が完全になくなったわけではありません。
  通常、このような場合には、「ベイクアウト」と呼ばれている方法、すなわち、外出時に室内を締め切り、エアコンを「最高温度」に設定しておき、帰宅直後には、すぐに窓などの開口部をすべて開け、室内にこもった有害な化学物質を排出します。
 これを1週間程度続けると、本来なら、徐々に室内に溶出してくる化学物質が一気に出てきますので、1週間後には、室内に溶け出てくる化学物質の濃度がかなり低くなるのです。
  入居直後、「気分が悪くなった」のは事実だとしても、だからと言って、「契約の目的が実行できない」とまでは言い切れませんので、いきなり、契約解除を申し入れても、借主の主張が認められることはないでしょう。
  � ��イクアウトなどの対策を行い、しばらく様子をみるべきですが、その間、どうしても住むことができないというのであれば、家主との交渉次第では、ホテル代などを負担してくれる可能性はあるでしょう。
  なお、アトピーやアレルギー体質、あるいは化学物質過敏症などの症状を持っている人の場合には、あらかじめ、クロスの張替えについて、どのようなのりを使うのかを確認し、場合によれば、クロスの張替えそのものを行わないように申し入れて、自己防衛するほうがよいでしょう。

(2)入居時、クロスの張替え直後だったので、臭いがきつく、気分が悪くなったので、管理会社に苦情を申し出たが、「クロスの張替え直後はどこでもにおいがするので我慢してもらうしかない」と言われた。やはり我慢するしかないの� �?

→  前項でも述べているように、賃貸住宅の入居(クロスの張替え)直後には、ホルムアルデヒドやVOCと呼ばれている有機化学物質が、室内に溶出してくるため、強い臭いがしたり、目がちかちかしたり、頭痛や気分が悪くなるというようなケースがあります。
  本来は、クロスの張替え時期から一定期間経過後に入居するほうがよいのですが、入居者の入れ替わり時期には、前の入居者が退去した日からクロスの張替えやクリーニングを経て、次の入居者が入居する日までの間が1週間程度しかないことが多く、クロスの張替え直後に入居せざるを得ないケースも多いのです。
  本来は、有害な化学物質を完全に含まない建材やのりを使用するべきですが、かなり改善されたとはいえ、建材などに含まれる化学物質� ��基準も、欧米の先進各国に比べると、まだまだ最高レベルとは言えず、有害な化学物質を含む建材やのりの使用が許されているのが現実です(ホルムアルデヒドなどの特定物質のみ規制がされていますが、逆に言えば、規制対象でない化学物質は野放し状態です)。
  従って、法律上、使用が許されているものを使用しているわけですので、たとえ、それによって、「臭いがきつく、気分が悪くなった」としても、家主に対して、法律上の責任を問うことはできません。
  そして、「法律上責任がない」ということは、損害賠償責任もないということですので、どのような対策が考えられるのかが問題です。
  管理会社は、「我慢するしかない」と言っているようですが、アドバイスとしては最低です。
  最低限、 前項で述べた「ベイクアウト」を行うようにアドバイスすることと、通常であれば1週間ほど経てば、かなり改善されることを伝えていれば、入居者も安心できると思います。
  もうひとつは、管理会社を相手にするのではなく、家主に対して、民法上の責任(使用収益させる義務)、つまり、入居者が安全快適に生活できるように環境を整える義務から考えて、有害な化学物質によって快適に生活できない期間(通常、約1週間程度)については、ホテル代を負担してもらえないかどうかを交渉してみることです。
  いずれにしても、自己防衛が基本となります。

(3)アトピーのため、化学物質を一切含まないクロスの張替えを希望していたが、管理会社からは、「特別扱いは不可能なので、どうしてもというなら契約を� �除するしかない」という返事だった。何か対応策はないのか?

→  機械的な対応を行う管理会社に問題がありますが、管理会社を自由に選べるわけではありませんので、管理会社にうまく交渉することが必要です。
  まず、管理会社が、なぜ、「化学物質を一切含まないクロスの張替え」を拒否したのかの理由を確認する必要があります。
  おそらく、通常の張替え費用よりも高額な費用がかかるために拒否したものだと思われますので、その場合には、対策としては、次の2つが考えられます。
  ひとつは、「通常の張替え費用との差額を負担する」という申し出を行うことです。
  もうひとつは、「そのまま入居するので、張替えそのものをしなくてもよい。張替え費用については、退去時に当てるよう にしてもらえないか?」と申し出てみることです。
 仮に「退去時に当てる」こと自体は拒否されたとしても、張替えそのものをしなくてもよいというのであれば、管理会社にとっては負担のかかることではないので、申し出を飲めない理由はないはずです。
  拒否する理由が費用ではないという場合には、交渉が若干やっかいです。
  しかし、管理会社が、「どうしてもというなら契約を解除するしかない」と強硬に主張するのであれば、どういう意味なのかをきちんと確認しなければなりません。
  つまり、管理会社としては、通常の張替えしか行わないので、借主にとっては、「我慢するか契約解除をしてもらうしかない」と言っているのか、それとも、「家主側の主張として契約解除を行う」という意味なの� �のどちらかをはっきりさせなければなりません。
  前者の意味の場合には、前項で述べた対策を検討しましょう。
  しかし、万一、後者の意味であるならば、家主側の主張に合理性は一切ありませんので、家主側の主張をきっぱりと拒否しなければなりません。
 そして、家主に対して、管理会社が主張していることが家主の主張であるのかどうかを確認し、法律上も、管理会社の主張は一切認められないことを伝えるべきでしょう。

前の入居者の問題

(1)入居後、前の入居者宛の郵便物がいくつも届いて困っている。管理会社に言ってみたものの、「前の入居者が転送手続きしていないので、不要なものは捨てたら」というひどい返事。どのように対処すればよいか?

→  確かに、前の入居者の責任ですが 、管理会社の主張はひどいものです。
  郵便物の転送手続きは本人にしかできませんので、前の入居者に連絡を取り、前の入居者自身に手続きを行ってもらう必要があります。
  そこで、管理会社に対して、「前の入居者に連絡し、郵便物の転送手続きを行うように言ってほしい」とお願いしてみてください。
  それでも、管理会社がきちんと行わないようであれば、家主に直接連絡し、「管理会社が本来行うべき業務を怠っているので非常に迷惑しているので、家主に直接連絡した。前の入居者に連絡して、転送手続きを取るように言ってほしい」と言ってください。
  もうひとつの方法は、前の入居者宛の郵便物を持って、地元の郵便局に行き、「前の入居者宛の郵便物が届いて困っているので、これからは届� �ないようにしてほしい」と、郵便局に直接伝える方法です。

(2)入居後、前の入居者宛のイタズラ電話がよくかかってきた。住んでいる物件は電話が最初から付いているところだったので、家主に電話番号を変えてくれるように伝えたが、費用がかかるとして拒否されてしまった。何とか対処する方法はないのか?

→  電話が「最初から付いている」ということは、家主が電話加入権を持っており、いわゆるビル電話で、各部屋での電話が使えるようになっているものと思われます。
  最近は、インターネットがしにくかったり、携帯電話を使用するので固定電話が不要だったり、各種の電話サービスが受けにくいなどの理由で、使う、使わないに拘わらず固定費用のかかるビル電話は、人気が低下してきていますので、� �主がこのような対応を行っていれば、入居者はどんどん減っていくばかりでしょう。
  いずれにしても、若干の費用がかかるにしても、電話番号を変えること自体は可能ですので、家主に粘り強く交渉するしかないでしょう。
  家主がどうしても拒否するようであれば、電話代の支払いを拒否するなどの対抗手段も考えなければならないかもしれません。

設備の不良

(1)入居後、給湯器が故障しているので、家主に修繕を求めたが、「契約書に『‥給湯器などの故障の修繕費用は借主負担とする』と書いている通り、自分で修繕してください」と言われた。契約書に署名している以上、従うしかないのか?


→  民法上、家主には、家賃という対価を得ている以上、借主に使用収益させる義務がありますので、そのための修繕義務を負っています。
  しかし、本来、家主が負担すべき修繕義務であっても、特約で借主負担とすること自体は、契約自由の原則の一環として、認められていることです。
  もともと、家主と借主の立場が対等平等ではなく、家主が一方的に定めた契約事項を、借主が受け入れるかどうかだけの選択肢しかありません。
  そこに、契約自由の原則を無限定に適用していると、借主が一方的に不利な特約ばかりが横行してしまい、社会としての公正・公平・平等という価値観が守られなくなります。
  そこで、特約としての「借主の修繕負担義務」� �解釈としては、家主の修繕費用負担義務を免除するに過ぎず、借主の費用負担を求めるためには、「特段の事情」が必要とされているのです。
  「特段の事情」とは、たとえば、ほとんどただ同然で貸していたなど、家主負担とするのがかえって酷になり、一方で借主負担としてもやむをえないというような事情です。
  逆に言えば、「特段の事情」がなければ、給湯器のような設備機器に修繕が必要になったような場合には、家主負担で修繕すべきであると考えられています。
  なお、2001年4月以降は、消費者契約法が施行されていますので、それ以降の契約である場合には、このような「修繕費用の借主全額負担特約」は、消費者契約法第10条に違反しており無効であるとされています。
  いずれにし� ��も、家主に対して、これらの主張をもとにした交渉が必要です。法律上正当な主張であっても、黙っていても主張は通りません。

(2)入居後、浴室のシャワーの温度が一定しないことに気づいた。使い勝手が悪いので家主に修繕を求めたが、「故障なら修理するが、故障しているわけでもないので、気に入らなければ自分で直してほしい」と言われた。家主の理屈には逆らうことはできないのか?

→  「故障」をどのように定義するかについて、家主の解釈が間違っていると思います。
  家主は、「故障」=「動かない」と考えているようですが、本来は、「故障」=「正常に作動しない」ということです。
  通常、シャワーは、一定の温度の範囲内になるようになっていますので、「温度が一定しない」のは、明� �かに「故障」なのです。
  しかし、家主が素直に認めないようであれば、家主を通じて、給湯器などのサービス会社に連絡し、「調子が悪いのでみてほしい」と要請し、調子が直ればよいですが、業者が「これは故障なので、修理・取替えしないと直らない」というようであれば、家主に対して、診断書・見積書を出してもらい、きちんと修繕してもらうようにすべきでしょう。
  いずれにしても、「故障しているかどうか」の判断は、家主が勝手に判断するのではなく、専門家に下してもらうべきであることを、家主に納得させることが先決です。

条件・イメージ違い

(1)内見した部屋は、実際に借りる部屋ではなく、別の部屋(モデルルーム)だった。しかし、実際に入居した部屋とは間取りも異なっていた。イメ ージがまったく違うので契約の解除を申し出たが、「一切返金できない」と言われた。何とかならないのか?

→  問題となる点はいくつかあります。
  まず、下見(内見)の時点で、下見した部屋がモデルルームであるということを認知していたかどうかです。
  通常、このような場合には、仲介業者から「実際の部屋は見学できないが、他の部屋が空いているのでモデルルームとして参考にしてください」というような説明を受けているはずですが、そういう説明がまったくなかったのかどうかです。
  ただし、「モデルルームである」という説明がまったくなかったとしても、下見した部屋の番号と実際に借りる部屋の番号が異なることくらいは誰でもわかることですので、「モデルルームという説明がなかっ た」ことだけで責任追及することはできないでしょう。
  つまり、モデルルームとして見学した部屋の間取りと実際に借りる予定の部屋の間取りがどのように異なるのかの説明があったのかどうかが重要だということです。
  そして次に、「モデルルームとは間取りが異なる」ということですが、問題は、「異なるレベル」です。
  つまり、単に、浴室の位置が反転しただけの間取りの違いだったのか、それとも、居室の広さや形もまったく違うような違いだったのかということです。
  もし、居室の広さや形もまったく違っていたのに、平面図などで、そういった説明をまったく受けていなかったとすれば、仲介業者の責任が重大です。
 そのような場合には、重要事項説明書も間違っている可能性があります ので、その確認が必要になります。
  説明も間違っており、重要事項説明書の記載自体も事実と異なっているような場合(広さも違うなど)には、仲介業者に対する損害賠償も追及できるでしょう。
  しかし、単に、浴室の位置が反転しているだけの場合には、「間取りが異なる」ということ自体、主張が難しいでしょう。
 なぜなら、その違いによって、生活上の大きな問題が発生するとは考えにくいからです。

(2)入居者がまだ住んでおり室内見学ができなかったが、入居後、想像していたイメージと異なっていたので契約の解除を申し入れたが、「一切返金できない」と言われた。従わざるを得ないのか?

→  学生の新入生の部屋探しにおいては、部屋探しの時期には、前の入居者が居住中のことが多く、� �内見学できないということはよくあります。
  もし、「室内見学できなかった」ために、入居後、「イメージが違った」という理由で、借主が何のペナルティーもなく契約解除することできるとすれば、家主にとって、あまりにもリスクが大きくなってしまいますので、家主としては、対抗上、前の入居者が退去した後しか契約させないという手段をとらざるを得ません。
  そうなれば、入学式までに入居できないというような事態があちこちで発生してしまい、結局、新入生自身が不便な思いをすることにもなってしまいます。
  いわば、学生の新入生の部屋探しにおいては、「室内見学ができない」のはやむを得ないこととして考えられているのです。
  従って、「想像していたイメージと違った」という主張� ��認められるのは、実際の部屋に、入居してみないとわからないような大問題があったにもかかわらず、仲介業者や家主からは一切の説明が事前になかったというような場合だけです。
  また、法律的にも、「室内見学したかどうか」は、契約成立に関して、まったく関係ありません。
  つまり、借主が、手付金を支払って契約したいと申し出て、家主が承諾すれば契約が成立するわけですので、「室内見学していないから」というのは何の意味も果たさないのです。
  逆に言えば、「室内見学していないから」契約したくないと思うのであれば、室内見学が可能となる3月末以降に、部屋探しをすればよいだけだということです。
 ただし、その時点では、誰もが望むような条件のよい物件が残っている可能性が少な いというだけです。
  従って、結論的には、家主の主張に従わざるを得ないということです。

(3)入居者がまだ住んでおり室内見学ができなかったが、入居後、想像していたイメージと異なっていたので契約の解除を申し入れたが、「入居後なので途中解約扱いとなるので3か月分の違約金が必要」と言われた。従わざるを得ないのか?

→  前項で述べたように、「室内見学ができず、想像していたイメージとは違った」としても、そのリスクは借主が負担するのが原則です。
  そして、「想像していたイメージとは違った」というような主張が認められるのは、前項で述べたような特段の事情が必要です。
  そういった特別な事情がないのであれば、契約期間はすでに始まっていますので、途中解約扱いとな� �のはやむをえないことになりますので、契約書で定められた違約金が必要となってしまいます。

(4)入居後、部屋に入ったら、天井の照明器具が付いていなかった。家主に苦情を申し入れたが、「照明器具は自分で付けてください」と言われた。しかし、隣室の人は最初から照明器具が付いていたということなので、不公平だと思う。何とかならないのか?

→  確認すべきなのは、契約前に、仲介業者で受けた「重要事項説明書」に、どのような記載がされていたかです。
  もし、重要事項説明書で、「照明器具あり」というような記載があったとすれば、仲介業者に対して、「照明器具ありとなっていたのに、照明器具が付いておらず、家主に言っても付けてくれないので何とかせよ」とクレームをつけることができま� �。
  しかし、重要事項説明書には、「照明器具なし」となっていた場合には、借主が照明器具をつけなければなりません。
  「隣室の人は最初から照明器具が付いていた」というのは、前の入居者が、照明器具を付けたままで退去した可能性が大きいでしょう。
 それに、仮に、隣室の人の契約では、照明器具を家主が負担したからと言っても、その契約を根拠に、照明器具を付けろと求めることはできないのです。
 なぜなら、相談者の契約は、隣室の人の契約とはまったく無関係だからです。(なかなか空室が埋まらないような時期には、家主がいろいろとサービスすることがよくありますが、そういった特別サービスをすべての契約に求めることはできないのです)

(5)入居後、部屋に入ったら、天井の照明器 具が付いていなかった。家主に苦情を申し入れたが、「照明器具は自分で付けてください」と言われた。しかし、仲介業者では、「照明器具は持込だが前の入居者がそのまま付けていることが多い」と言っていたので、仲介業者にだまされたように思うが、業者に責任を取ってもらうことができるか?

→  仲介業者は、単に一般的な事実を述べただけであり、照明器具の設置を約束していたわけではありませんので、照明器具が付いていなかったとしても、仲介業者になんら責任が発生するわけではありません。
  従って、当然のことながら、業者に対して、「責任」を追及することはできません

(6)入居後、キッチンには、ガスコンロが付いていなかった。家主に苦情を申し入れたが、「好きなコンロを自分で付けて下さい」と言われた。しかし、隣室の人は最初からガスコンロが付いていたということなので、自分もつけてほしいと思うが、主張を通すことができるか?

→  確認が必要なのは、契約前に仲介業者で受けた「重要事項説明書」の内容です。
  重要事項説明書の中で、キッチンに関する説明の 部分で、「ガスコンロ付」となっていたとすれば、実際とは異なったわけですので、仲介業者に対して、「実際にはガスコンロが付いていなかったので、不実告知に当たる。仲介業者の責任でガスコンロを設置せよ」というように請求することができます。
  しかし、重要事項説明書で「ガスコンロなし」とか「ガスコンロ持込」などと書かれていたような場合には、各自でコンロを持ち込むのが当然ですので、たとえ、隣室には最初から設置していたからと言って、家主などに対して、「設置せよ」とは言えません。
  隣室の人の場合には、おそらく、前の入居者が退去する際に、本来、撤去すべきガスコンロをそのまま放置して行ったものと思われます。
 あるいは、家主の了解を得て、置いていったのでしょう。

(7)入居後、キッチンにはガスコンロが付いていたが、汚れていたので、家主に「新しいコンロに代えてほしい」と言ったが、家主からは「コンロは各自で付けることになっているので好きなコンロを自分で付けて下さい」と言われた。家主の主張に従うしかないのか?


→  入居時に、ガスコンロがあったとしても、「ガスコンロ設置済」である場合と、「ガスコンロ持込」にもかかわらず、たまたま前の入居者が置いていた場合のいずれであったかによって対応が異なってきます。
  ガスコンロが故障したり取替えが必要になったりするようなときでは、前者であれば、家主に修繕や取替えを請求できるのに対して、後者の場合には、入居者自ら行わなければなりません。
  ところが、ガスコンロが「汚れている」という場合は、前者のように、家主が設置しているような場合でも、設備としての機能が十分果たせるのであれば、取替えを求めることはできません。
  相談にあるように、「コンロは各自で付けることになっている」のであ� ��ば、当然のことながら、各自が自分の判断で、汚れを掃除するか、それとも取替えを行わなければならないのです。



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